話し方教室「効果的コミュニケーションは、一日にして成らず」(社長・経営者スピーチ&コミュニケーション講座東京)

効果的コミュニケーションには時間がかかるもの

人材開発協会(米国)は7月25日、効果的なコミュニケーションには時間と労力が必要であり、それを怠れば人材を失う可能性があるという、専門家の意見を掲載しています。

その中で、ビジネス思想家として知られているホイットニー・ジョンソン氏は「良いコミュニケーションは、木を植えるようなものだ」といっています。時間をかけて適切に水をやり、栄養を補給し見守ることでよりよく成長できる、というわけです。

上司の想いと、部下の受け取り方にギャップが発生、その要因は?

ジョンソン氏は長年会社に貢献し、大切にしてきた従業員をある新規事業に参加させたことがあります。

氏にしてみれば成功の機会を与えたつもりでしたが、その従業員の方は、半年後には転職も考えるほど不満を抱いていたというのです。その原因は、上司の言葉が足りなかったために、従業員の役割が明確にされていなかったことにありました。

氏は、もしここで有能で熱心な従業員を失っていれば、組織に与える損出は大きかったと語っています。優れた指導者は、正直で、積極的なコミュニケーション文化を確立する必要があると述べています。

組織のコミュニケーションとは、単なる「会話・雑談」ではない

そして、そのコミュニケーションですが、単になごやかに「会話・雑談をする」ことではありません。ここはお間違えにならない方がよいでしょう。

ここで言うコミュニケーションとは、「会社は従業員の願望を、従業員は企業のニーズをそれぞれ理解しあうこと」なのです。その際、お互いが正直であり、率直に語ることが肝心になります。

先の従業員のケースですが、もし事前に上司が部下と率直に話し合って、上司の想いが部下にキチンと伝わっていれば、問題は発生していなかったかもしれません。例えば、次のような事前のコミュニケーションです。

上司「この新規事業に君も参加して欲しい。そこでの君の役割は○○。この役割をキチンと果たせば、君が成功するチャンスになる、と僕は思う。引き受けてくれるかい?」。
部下「少し不安はありますが、やってみます」。
上司「もし、その仕事でわからないことが出てきたら、遠慮せずに△△さんや、僕に相談してくれたらいい」。
部下「ありがとうございます。その時はお願いします」。
上司「分かった。△△さんにも依頼しておく。まずは頑張ってくれたまえ。成功を祈る」。

さて、効果的コミュニケーションとはなかなか難しいものです。しかし、それを諦めなければ、いずれは可能になります。会社と従業員との間のコミュニケーションを実のあるものにするためには、お互いが、正直で率直であることが大事です。そのためには会社側が、誰でも、正直で率直に語れる環境や、文化、風土というものを用意できるかどうか、それがカギになることでしょう。

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