社長・管理職の話し方教室(東京)|論理と感情の両方に訴求するプレゼンテーションを
効果的なプレゼンテーションに準備は不可欠
プレゼンの準備にどのくらいの時間を費やすかは、その人のプレゼンスキルのレベルによります。ですが、これだけは言っておきます。プレゼンレベルがダントツに高い人でも、きっちりと準備しているということを。
ある調査では、プロフェッショナルな人はプレゼンテーションの準備に対して1週間あたり14時間を費やすと報告しています。小チーム(15人程度)における年間工数では、1万時間以上に相当するとも述べています。
プレゼンテーションにおいては、話し手は決められた制限時間内に事前準備した内容を話し、聞き手の興味・関心、注意を引き付け、話し手と聞き手の関係性を強めることが求められます。ビジネス・インサイダー・オーストラリアでは、聴衆との関係性を高めるプレゼンテーション術のヒントを紹介していますので、そのヒントをかいつまんでご説明しましょう。
話の展開・伝え方を工夫して、聞き手の印象に残るプレゼンを
概して、プレゼンテーションにおいて聞き手の印象に残るのは、平均して全体の10%といわれています。それゆえ、話し手は、話の展開や伝え方に工夫が必要です。例えば、プレゼンテーションの目的、重要事項、強調したい箇所などの伝えたいメッセージをあらかじめ明確にしたうえで、そのメッセージを軸に内容を構成し、話を展開させる必要があるのです。
そしてメッセージに関連するキーワード、キーフレーズは繰り返すことです。繰り返すことで聞き手の印象に残り、プレゼンテーションのメッセージであるとの理解・認識も深まります。
また、スライドなどのプレゼンテーション資料だけでは、聞き手に対して、話し手の伝えたいメッセージを伝達し理解させることは不可能です。ですから伝えたいメッセージは、必ず声に出して伝えることが肝心です。
感情的に訴求するプレゼンを
一般に、人間は日常生活において多くの意思決定を行いますが、その90%以上は理性ではなく、感情の影響を受けるといわれます。意思決定を行った後に感情の変化があった場合、被験者のうち74%が、感情変化により一度行った決定内容を変えたと報告する研究もあるほどです。
ですから、どんなプレゼンテーションでも、聞き手の「感情に訴求」することが大事です。そして感情に訴求するにはボディランゲージが重要であることはよく知られていることです。
話し手のジェスチャー、身振り、手振りなどで視覚的に興味・関心を引くことで感情・情緒に訴求できるのです。その感情訴求を意識することで、プレゼンテーションの内容や資料による論理訴求とバランスがとれます。その結果、聞き手の理解や共感を得ることにつながっていくのです。
つまり、プレゼンに限らず、何事もバランスが大事です。プレゼンでは論理訴求と感情訴求のバランスをとること。論理訴求の準備に時間を割くプレゼンターは多いのですが、感情訴求の準備に時間を割くプレゼンターは少数派です。ですから、感情訴求もしっかり準備してください。それが競合他社のとプレゼン・コンペに勝つためには特に重要になります。
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