社長・経営者の話し方教室(東京)-コミュニケーション不足による損失額は、一人当たり・年間188万円也。


Inc.comでは2023年10月7日、従業員のコミュニケーションスキル向上に投資する重要性について調査レポートをもとに説明している。

コミュニケーション不足による企業の損失と悪影響

アメリカの「ハリス世論調査」で行われた「2022年のビジネス・コミュニケーションの現状レポート」によると、コミュニケーション不足による企業の「損失」は、従業員の推定給与を66,976ドルとした場合、1人当たり1週間に7.47時間、年間12,506ドル(1ドル150円換算なら、約188万円)と報告している。

コミュニケーションが円滑に行われない場合、チーム内で力関係が発生し、協力体制の不備やパフォーマンスの低下などにつながるほか、発展すると対立する関係になり、自分の主張を発言しにくい環境になったり、ストレスを抱えることになったりする。

コミュニケーション問題の解決策とは

この状況は意思決定の遅れにも影響するため、問題を解決する方法としてコミュニケーション・トレーニング・プログラムに投資することをすすめている。

年間に損失すると推定される12,506ドルの一部をプログラムの費用に回すことで、参加者が自己認識を高め、新たな対処スキルを獲得できるようになる。

コミュニケーションなどのソフトスキルは定量化するのが難しいため、ハードスキルに対して投資しにくい傾向にあるが、メンタルヘルスおよび離職率などの観点から評価することで企業を支える人材育成、利益の向上につながると考えられる。

今日の一言
「企業は、従業員のコミュニケーションスキルに投資しなければならない」

コミュニケーション不足による企業の「損失」は、なんと、一人当たり・年間188万円也。衝撃的な数字ではないだろうか。そして、記事ではその解決策として、従業員のコミュニケーションスキルに投資することをすすめている。

コミュニケーションがうまくいかない会社では、力関係が発生し、チームが機能しなくなる。やがて従業員はくたびれ、職場を去ることになる。そうならないように、記事では、コミュニケーションに投資せよと言っている。その投資結果を、メンタルヘルスや離職率で評価する、というのも、いかにもアメリカ的で興味深い。

さて、この日本ではどうであろうか。日本には明確な数字はないものの、損失額はそんなに変わらないのでは、というのが私の見立てである。

コミュニケーションスキルに投資するかどうかは、個々の社長の判断だが、私は思っている。他社が殆どやっていないからこそ、今、投資する価値があるのだと。

社長スピーチ研修所所長 酒井美智雄

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