社長・管理職の話し方教室(東京)|ビジネスでのコミュニケーションの効率性評価ポイント

法律事務所の組織内コミュニケーションに関する調査

アメリカで、法律事務所の「組織内コミュニケーション」に関する研究が実施されました。ご承知のように通信技術が発達するにつれ、ビジネスで必要とされる情報量は増加しています。また競争環境の激化により、社内コミュニケーションツールはビジネスの成功には不可欠な要素となってきています。

メルヴィン・マーフィー博士らの研究では、バージニア州にある3つの法律事務所において、経営者や指導者が用いている所内・コミュニケーションツールに関する方策を調査。所内での情報伝達を体系化する際の効率性を評価しました。調査対象となった3事務所は中規模のもので、同業者の間では非常に管理が行き届き組織だっていると高評価されています。

さて、所内コミュニケーションツールとしては、「クラウド技術、電話会議、所内・Eメールシステム、ソーシャルメディア、インターネットマーケティング、実際に会って行う会議、そして上司と部下の面談」が対象となりました。

組織内コミュニケーションを評価する際のポイントとは

3事務所における所内文書やインタビューの内容をソフトウェアによって分析したところ、「組織内でのコミュニケーション」の効果を評価するには、3つのテーマが重要であることがわかったといいます。

第1のテーマは、「非公式で形式張らない、口頭での直接的コミュニケーション」の評価。第2に、「間接的なコミュニケーション」の評価です。これらは組織の規模や複雑性に応じて評価を行う必要があるといっています。

そして第3のテーマは、「効率性と適時性のトレードオフ」の評価です。ちなみに非公式や間接的なコミュニケーションは時間も労力もお金もかからないという効率性が長所。しかし、それが最適で、適時なシステムであるとは限らないと述べています。

同研究では、法律事務所に限らず中規模の組織の管理者がコミュニケーションポリシーを策定する際には、上記のようなテーマを考慮に入れる必要があるとしています。

話し方教室の要点「組織でコミュニケーションをシステム化する際の検討項目」

1.「組織内でのコミュニケーション」の効果を評価するには、次の3つのテーマが重要。第1に「非公式で形式張らない、口頭での直接的コミュニケーション」。第2に「間接的なコミュニケーション」。第3に「効率性と適時性のトレードオフ」の評価。

2.中規模の組織の管理者がコミュニケーションポリシーを策定する際には、上記のテーマを考慮に入れる必要がある。

さて、コミュニケーションには相手と対面で話す「直接的コミュニケーション」と、オンラインや文書などで相手と意思疎通をはかる「間接的コミュニケション」とがあります。

ビジネスでのコミュニケーションの効率性を評価するときには、この2つのコミュニケーションをきちんと評価することが大事と記事では言っているのです。そして、それぞれに関して「効率性」と、それとは相容れない「適時性」をも評価すべきである、と述べているのです。

ビジネス上のコミュニケーションの評価項目が明確になりましたので、自社の社内コミュニケーションシステム構築や再構築を実施する場合には、上記3テーマ、ポイントをキチンと検討することにしたいものです。シンプルですが、重要な指摘だと思います。

(2018/11/19ブログ更新,2017/05/30初出)

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