社長・管理職の話し方教室(東京)-スピーチの達人から『成功するスピーチ』を学ぶ

スピーチの成功は事前リサーチで決まる

ジェイソン・ジェニングス氏は世界的な基調講演者として、1100以上の会議などにてスピーチや講演を行っています。ビジネス・ワイヤーによると、氏のスピーチは影響力があり、高く評価されているといいます。

そのジェニングス氏が、事前リサーチの重要性を語っています。「クライアント(依頼者)を含めた聞き手にとって、理想的な話し手とは、聞き手のニーズを満たす情報の提供者である。スピーチが聞き手の期待する、求める内容である場合、聞き手は有益なスピーチであると評価し、スピーチは成功に終わる」と述べているのです。

ジェニングス氏は、聞き手に対する理解を深める目的で、スピーチの事前打ち合わせにおいて、クライアント10人から12人程度と簡単なコミュニケーションを図るともいっています。

聞き手に話し手を印象付ける方法とは?

スピーチにおける影響力を強めるには、聞き手に話し手を印象付ける必要があります。もし、会場が広く、聴衆が大人数である場合には、聞き手がスピーチのみを通して、話し手に親近感を抱くことはあまりありません。

そんな時、ジェニングス氏は、会議前夜に会食する機会を持ったり、スピーチ開始前に簡単な自己紹介を行うなどするといいます。話し手は、聞き手に対して簡単に自己について話す時間をつくる必要があるというのです。氏は、数分の自己紹介であっても、話し手と聞き手の感情的親密さを深めるには効果的であると述べています。

話し方教室の視点「聴衆分析と関係づくりで、スピーチを成功させる!」

(要点)
1.ジェニングス氏は「理想的な話し手とは、聞き手のニーズを満たす情報の提供者である」とし、そのため、スピーチの事前打ち合わせにおいて、クライアントと簡単なコミュニケーションを図っている。

2.氏は、聞き手に話し手を印象付けるために、会議前夜に会食する機会を持ったり、スピーチ開始前に簡単な自己紹介を行うなどして、感情的親密さを深めている。

(解説)
スピーチやプレゼンテーションの成功の鍵は、まずは「聴衆分析」にあります。

なぜなら、話し手が聞き手を知らないことには、何を話すべきかを決められないからです。私が20代のビジネスマンの頃、プレゼンの上手い(つまり、プレゼンテーションで仕事を受注できる)上司は、徹底的に聴衆分析をやっていました。もちろん、私もそうしてきました。かねてより聴衆分析は、スピーチ、プレゼン成功の必要条件だったのです。

聴衆分析だけでも、スピーチ、プレゼンテーションの成功確率は格段に上がります。しかし、上級者、超・上級者を目指す人なら、それだけでは足りません。もう一つ必要なものがあります。

それは「(肯定的)関係づくり」です。ジェニングス氏は「感情的親密さを深める」と言っています。難しく考える必要はありません。落語でいうなら「つかみ」です。本題に入る前に笑わせて、客の心を掴む、アレです。聞き手に「この人の話を聞いてみたい」と思わせられたら「関係づくり」は成功といえます。

スピーチやプレゼンの超・上級者を目指す人は、「聴衆分析」と「関係づくり」に熟達すること。それで成功の「必要十分条件」が満たされたことになります。頑張ってくださいね。

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