社長・経営者の話し方教室-創業経営者は社員に創業ストーリーを語れ!


企業が成長していく過程で、最も重要な役割を担うのが「創業経営者」です。経営理念やビジョンをいかにして社員に浸透させるかは、企業文化を形づくり、組織の一体感を高める鍵となります。そのために欠かせないのが「創業ストーリーを語る」という行為です。

このストーリーを語る行為、つまり、ストーリーテリングは単なる情報伝達以上の力を持ち、社員の心を動かし行動を変える効果があるのです。今回は、創業経営者が社員に創業ストーリーを語るべき理由と、その伝え方のポイントをお伝えします。

1.創業ストーリーを語り会社の存在意義を伝える

創業ストーリーで経営理念の理解が深まる

多くの社員にとって、経営理念は抽象的な文章に見えがちです。しかし、創業者がその理念を掲げるに至った背景や、実際の出来事をストーリーとして語ることで、社員は理念を「自分ごと」として理解できるようになります。

例えば、顧客からの一言や困難に直面したときの苦労話を具体的に伝えることで、理念の重みと必然性が鮮明になるのです。

創業ストーリーで創業の想いを共有できる

創業経営者がどんな夢や課題意識を抱いて会社を立ち上げたのかを語ることは、社員にとって会社の存在意義を知るきっかけとなります。創業時の苦労や挑戦を生き生きと語れば、社員は「自分たちもその想いを引き継ぐ存在だ」と感じ、仕事への動機づけにもつながります。

2.ストーリーテリングは共感を呼び起こし記憶に残る

感情に訴える話し方が行動を促す

ストーリーテリングの際に重視されるのは「事実+感情」を組み合わせた表現です。数字やデータだけではなく、当時の感情や葛藤を交えて語ることで、聞き手は自然に共感します。共感は単なる理解を超えて「自分も頑張ろう」という行動のエネルギーに変わります。

具体的なエピソードは記憶に刻まれる

社員に伝える際は、長い歴史をすべて語る必要はありません。むしろ「一つの具体的な出来事」を丁寧に語る方が印象に残ります。例えば、最初の契約が決まった瞬間や失敗から学んだ体験など、具体的なエピソードを入れることで、社員の心に強く刻まれます。

3.創業ストーリーが組織文化を生み育てる

創業ストーリーが組織の一体感を醸成する

企業文化は「共有された物語」から生まれるものです。創業経営者がストーリーを語ることで、社員は共通の価値観を持ち、組織の一体感が醸成されます。特に新入社員にとっては、理念やビジョンが言葉だけでなく具体的な姿として伝わるため、早い段階で組織に溶け込みやすくもなります。

創業ストーリーは困難を乗り越える道しるべとなる

創業ストーリーを語り継ぐことは、単なる「過去の思い出」ではありません。未来を担う次世代リーダーにとって、それは「判断基準の源」となります。難しい局面に直面したとき、創業者の体験や理念に基づいた判断が道しるべとなり、会社の軸をぶらさずに意思決定できるようになるのです。

社長スピーチ研修所/酒井美智雄の一言

経営者が自らの声で語るストーリーには、文章やマニュアルでは伝わらない説得力があります。創業ストーリーを語ることは、理念の浸透、共感の醸成、組織文化の形成という3つの大きな役割を果たし、社員一人ひとりの意識と行動を変える力を持っているのです。

ぜひ、創業者の皆さん、チャレンジしてください。創業ストーリーは、創業者にしか語れないのですから。

もしスピーチが下手だから・・、という方なら、本学で学んでください。短時間で、急激に、スピーチ力が高まります。そうなれば、創業ストーリーを、感情を込めて、間の取り方を工夫し、声に抑揚をつけて話すことも可能になります。ご来校をお待ちしています。

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■ 社長・経営者の話し方教室ブログ提供/スピーチの名門・社長スピーチ研修所/社長スピーチ研修所・日本コミュニケーション学院 総責任者 酒井美智雄