社長・経営者の話し方教室-リーダーは”論理”と”感情”の両方に訴求するプレゼンテーションを!


プレゼンテーションにおいて、多くのリーダーが意識するのは「論理的に説明すること」です。確かに、結論・根拠・具体例といった論理的構成は、相手に理解してもらううえで重要です。

しかし、理解だけでは人は動きません。チームを動かす決断や協力を得たいときに欠かせないのは「感情に訴えかける力」です。「論理」だけでは人は納得せず、「感情」だけでは信頼を得られません。リーダーには、その両方をバランスよく使いこなす話し方が求められるのです。

今回は、「論理 × 感情」で伝えるプレゼンテーションの実践ポイントを解説します。

1.論理的構成で“納得”を生み出す

リーダーがプレゼンを行う際、まず必要なのは筋道の通った話し方です。「結論 → 理由 → 具体例」の順で話すだけでも、聞き手の理解は飛躍的に高まります。聞き手は「なぜそう言えるのか?」に敏感です。その疑問に先回りすることで、説得力が生まれます。

結論を先に述べる

プレゼン冒頭に「今日お伝えしたい結論は〇〇です」と明言することで、聞き手は話の枠組みを理解し、迷わず聞き進めることができます。これは、ビジネスプレゼンの基本でありながら、多くのリーダーが実践できていません。

根拠・データで信頼性を高める

社内実績、顧客の声、数値データ、第三者調査など、根拠となる情報を提示することで発言に“信用”が宿ります。説得するためには、感覚的な言い回しだけでは不十分です。データは「主観」を「客観」に変える力を持っています。

2.感情に訴え共感と行動を引き出す

論理で「理解」させたら、次は「心を動かす」ことが必要です。人は「自分ごと」と感じたときに初めて行動します。そのためには、感情に届く話し方が求められます。

ストーリーで伝える

人はストーリー(物語)に感情移入します。数字や理屈だけでは動かなかったチームが、「なぜその提案をしたのか」というリーダー自身の体験や価値観のストーリーを聞いた瞬間に動き始めることがあります。成功談だけではなく、葛藤や失敗も共有すると共感が生まれます。

声・表情・間を意識する

感情は言葉よりも非言語表現に宿ります。そこで、強調したいところは声をやや強く、聞き手に考えさせたいとき「間」を置く。さらに、表情の柔らかさは相手の緊張を解き、安心感を生みます。プレゼンは“話す技術”と同時に“魅せる技術”でもあります。

3.聞き手視点で話して巻き込む

優れたリーダーのプレゼンは、聞き手を「参加者」に変えます。ただ情報を届けるのではなく、「自分たちの話だ」と感じさせる工夫が必要です。

聞き手の立場・関心を理解する

相手が求めているもの、課題に感じていることを理解して構成することで、プレゼン内容は刺さります。「課題 → 解決策 → 期待される効果」の順で話すと、聞き手は自分事として捉えやすくなります。

問いかけて、巻き込む

プレゼンの途中で「皆さんはどう考えますか?」「この部分に共感される方は多いのでは?」と問いを入れることで、聞き手は受け身から能動的な姿勢に切り替わります。これが“参加型プレゼン”にするための基本です。

社長スピーチ研修所/酒井美智雄の一言

論理で理解を与え、感情で共感を引き出し、そして、聞き手の視点で巻き込む。これらを組み合わせられるリーダーは、チームを前向きに動かし、成果をつくる力を持ちます。

プレゼンは単なる説明ではなく、組織を動かすための「リーダーシップそのもの」なのです。ぜひ、社長・重役の皆さん、次のプレゼンから上記のポイントを実践してみてください。プレゼンに力が宿るはずです。

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■ 社長・経営者の話し方教室ブログ提供/スピーチの名門・社長スピーチ研修所/社長スピーチ研修所・日本コミュニケーション学院 総責任者 酒井美智雄