社長・管理職の話し方教室(東京)|起業家はCEOに学び、CEOは起業家に学ぶことで成長する!

起業家、CEO、セールスマンの行動の違いとは?

シカゴ・ブース・レビューでは8月13日、起業家、CEO、セールスマンの3つの役割について、行動の違いと類似点を明らかにした研究を紹介しています。

ハーバード大学研究員でキャリアサポート会社キャリア・リーダー社の創設者バトラー氏は、4000人以上の成功した起業家、1800人以上のビジネスリーダーに心理テストを行い、分析をしました。そして、これらをもとに成功した起業家、CEO、営業担当者の違いと共通点を明らかにしています。

その中でバトラー氏は、偉大な「起業家」は、強い信念を持ちプロセスの端から端までコントロールする傾向にあり、革新的であり、リスクにも強く、販売能力に長けているといっています。また「CEO」は、戦略性と実行性を持っており、起業家と類似していると述べています。

起業家は、すばらしいCEOになれるのだろうか?

氏は、「起業家が素晴らしいCEOになれるか」というと、そうではないと否定しています。

その理由を「起業家は物事をリードするための重要な特性を有している。しかし、経営を維持するためのカリスマ性、チームワーク構築、組織の全体的な視野での戦略イメージには弱い。後者についてはCEOの方が長けている」としています。そして起業家はCEOからチームワークや戦略を、CEOは起業家の創造や革新を、それぞれ学べると説いているのです。

ついでに「セールスマン」は、どのように対話して信頼性や共同価値を構築するかを考えて行動すると紹介しています。そして、セールスマンに人材開発としてリーダーシップトレーニングを加え、能力を向上させるとCEOまたは起業家への道が開けるとも述べています。

話し方教室の要点「起業段階から、次の段階を意識してリーダーシップを訓練せよ!」

1.起業家はCEOからチームワークや戦略を学び、CEOは起業家の創造や革新を学べる。

2.セールスマンにリーダーシップトレーニングを加え能力を向上させれば、CEOまたは起業家への道が開ける。

創造的、革新的な人は起業には向いていますが、その出来上がった会社を成長・発展させ続けるにはCEOの方が適しています。これは当然と言えば当然なのです。なぜなら、企業の起業段階と成長・発展段階とでは必要とされるスキルも異なるからです。

例えば、起業段階なら、仮に「人に興味はなく、機械やシステムが大好きな人」でも、何か独創的なものを作り出すことができれば起業は可能です。また、そこそこの売上げを上げることもできるでしょう。しかし、その会社を成長・発展させていく段階になると、多くの人間を関与させなければなりません。そうすると「人に興味がない」リーダーでは、すぐに限界がきてしまうのは目に見えています。

もしあなたが、これから「起業」しようとしているのなら、今のうちから次の段階の「成長・発展」をにらんで、自身に足りないものをCEO達から学ぶことも始めた方がよいでしょう。

幸いリーダーシップは訓練で向上させることができます。自分の成長が、そのまま企業の成長につながっていくことは間違いありません。皆さんには、ぜひ上を目指して頑張ってほしいと思っています。

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