社長・管理職の話し方教室(東京)|従業員に伝わらない社長のスピーチ!

経営者は従業員に伝わるスピーチを工夫すること

一定規模の会社の社長・経営者になると、社内外でスピーチする機会が圧倒的に多くなります。スピーチが仕事といってもいいくらいです。

ご本人はスピーチに自信があり、内容も、話し方も、申し分ないスピーチをしていると思っていても、聞き手から見ると、理解できないスピーチであることがままありますから注意が必要です。

今回は、「従業員に」分かりやすいスピーチを行うためのコツの一つをご紹介しましょう。

「経営者目線で」という言葉を使わないこと

社長がスピーチのときに注意したい点は「経営者の目線で」という言葉を使わないことです。例えば「経営者の目線で、顧客から愛される会社にするにはどうしたらいいか考えてみてください」と言ったとします。

これで従業員は理解できるでしょうか?

経営者というものは、常日頃から従業員に経営者目線を持ってもらいたい、と思っています。なぜなら、従業員だけの目線よりも、経営者の目線も持ち合わせている方が、仕事に対する視野が広がるからです。

ですから経営者は、安易に「経営者目線で」と言ってしまいがちなのですが、経営者経験のない従業員にとってみれば、その「経営者目線」という言葉が、あまりにも理解しづらいものであるわけです。

それなら、「経営者目線」という言葉を使わないで、その意図するところを伝えるには、どんは工夫をすればよいのでしょうか。

仮定法を用いた話し方を試してみる

先ほどの例を、次のようにしたらどうでしょうか。「もし、あなたが社長になったとして、顧客から愛される会社にするにはどうしたらいいか考えてみてください」。

いかがですか?

もちろん社長経験のない従業員ですから正確には理解できないかもしれません。しかし、さきほどの例よりも社長の意図するところをイメージしやすくなったのではないでしょうか。

スピーチは、伝わらなければ意味がありません。たとえ社長が自信満々にスピーチしたとしても、実際に、聞き手にその意図することが伝わらなければ、そのスピーチは無意味なものになります。

つまり、経営者が従業員に「経営者目線」を求める前に、経営者が「従業員目線」でスピーチすることを心がけることが、伝わるスピーチのために大切なことになります。

(2018/11/15ブログ更新,2016/08/15初出)

© スピーチの名門・日本コミュニケーション学院東京/スピーチ,パブリックスピーキング/学院総長・社長ブログ