社長・管理職の話し方教室(東京)-従業員の能力を引き出すためには、経営者・管理者はどうすればいいのか?

従業員には「威圧」よりも「思いやり」の姿勢で接する

コミュニケーション能力の優れた上司は、各々の従業員の能力や事情に配慮し、決して威圧的な態度を取らないものです。アントレプレナー社のバイバブ・ジョシ氏は、従業員の能力を引き出す効果的なマネジメント姿勢について記事にしています(2018/10/08)。

その中で「ビンガムトン大学の研究者が、四半期に刊行される『ザ・リーダーシップ・クオータリー(6月)』に、従業員に配慮し、思いやる管理方法が部下・従業員の能力を十分に引き出す」という記事が紹介されています。

従業員を思いやる管理法は、権威的・支配的管理法より優れている

上記の研究は台湾軍隊の1000人と、米国企業でフルタイム勤務している200人を対象に行われました。地理的・文化的な差異にかかわらず、どちらのグループにおいても、一貫して、思いやる管理方法が、権威・支配的な管理方法よりも優れていたと記されています。

ビンガムトン大学のマネージメント・スクール助教授のチョー・ユ ツァイ氏は公式記者会見で、「管理者は従業員に期待すること、優先順位を明確にした上で、従業員の幸福に注力し、彼らの望む支援をしていることを確認しなさい。これは親子関係でみられる愛のムチの仕事バージョンなのです」と述べています。

また勤労においては、プロジェクトを完遂した後に与える1回の報酬よりも、節目節目、しかも節目の初めに報酬を分けて与えた方が、従業員は内在するモチベーションを遺憾なく発揮することも紹介されています。

経営者は、従業員を「チームの仲間」と認識して処遇せよ

さて、上記研究で「従業員の能力を引き出す効果的マネジメントの姿勢は『思いやり』にあり」ということが証明されました。「厳しく、支配的」に接するよりも、「気配り、思いやり」をもって接することが働く従業員の意欲向上させるというわけです。

これは、従業員サイドに立って考えてみれば当たり前のことなのですが、しかし経営者を長くやっていると、ついつい「従業員の気持ち」というものを忘れてしまいます。中には「俺が、雇ってやっている」と完全に上から目線で勘違いしている経営者もいるようですが、これには驚かされます。

上記研究は、経営者に「従業員の幸福に注力し、彼らの望む支援する」ことを求めています。一方で、「従業員に求めることを明確にした上で、やるべきことの優先順位を明示する」ことも求めています。

要は、「まず経営者・管理者は、従業員に対して、仕事の目標を明示し、その目標達成のためのやるべきことの優先順位を明らかにする必要がある。そして、あとは従業員が目標達成できるように、彼らを物心両面で支援することを惜しんではならない」そういう姿勢が経営者・管理者には大事ということです。

従業員は「家来」ではありません。同じチームの「仲間」なのです。そのことを忘れないで処遇することが、経営者・管理者がリーダーシップを発揮する上で極めて重要だということを教えてくれています。

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