社長・管理職の話し方教室(東京)-企業・組織を強くするコーチングのあり方とは?

「継続的学習」を組織に定着させるコーチングとは?

世界最大の会計事務所であるデロイト・トウシュ・トーマツが実施した調査によると、「継続的学習」の文化がある企業・組織では、46%が市場をリードし、市場優位性や市場占有率が最大であったといいます。また、生産性が高く、独創性・創造性に富む傾向にあったとも報告しています。

「CMSワイヤー」(2018-9-5)では、企業・組織において、「継続的学習」の文化が「ピア・コーチング」(同僚間でのコーチング)により構築され、ピア・コーチングに基づく継続的学習は、業績向上、収益拡大など企業・組織の成長につながると述べています。

相手の思考パターンに応じたコーチングを実施する

そのピア・コーチングの成功には、相手のマインドセット(思考の枠組み)を正確に把握したうえで、思考パターンに応じたコーチングを行うことが求めらるといいます。

スタンフォード大学のキャロル・ドウェック氏は、思考パターンには2種類あり、固定型マインドセット(先天的に決定している才能・能力)と、成長型マインドセット(後天的に成長可能な才能・能力)があると提唱してます。

固定型マインドセットをもつ場合、ピア・コーチングのメリットを最大限に活用したいとの考えが強いのですが、問題・課題など困難な状況に直面すると挫折しやすいとしています。また、フィードバックに対して感情的になり、防衛機制が働く傾向にあるといいます。

一方、成長型マインドセットでは、ピア・コーチングを改善・成長の機会であると捉え、継続的学習の文化において、多くは成功するとドウェック氏はいっています。

「フィードバック」がコーチングの成果を決定する

さて、ピア・コーチングに限らず「コーチング」では、一般的にクライアントはコーチからのフィードバックもらいます。そして、そのフィードバックをクライアントが自分の中に取り入れることができるかどうかが、コーチングの成果を左右するものです。

ピア・コーチングでは、その「フィードバック」に問題が生じます。ピア・コーチングは上司とではなく、同僚間で行います。そのため、同僚コーチのフィードバックを同僚クライアントが素直に受け入れことは格段に難しくなるわけです。つまり同僚からのフィードバックを感情的にならずに受け入れることは、容易ではないということです。

では、どうすればよいのか。結論を述べれば、フィードバックを効果的にするには、コーチ、クライアント双方の積極的関与が鍵ということになります。

たとえばクライアントは、ピア・コーチングが自己の成長機会であると捉えフィードバックを活かす姿勢を心掛けること。また、コーチには、傾聴スキル、コミュニケーション能力、洞察力などを磨く努力が必要になるでしょう。

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